【イナクロ用語考察】ミキシマックス(後編)
こちらは後編になります。前回ではミキシマックスの基本について書いたので先にそちらを読むことをおすすめします。
前編はこちらから↓
強制ミキシマックス
オーラを扱う道具として登場するのがワンダバが持っている二丁拳銃のような機械、ミキシマックス・ガンです。この道具を介さずにミキシマックスする行為を、ワンダバは「強制ミキシマックス」と呼んで驚いていました。
未来世界では機械を使ってミキシマックスするのが当たり前なんでしょう。
オーラを抽出して機械の中に保存して必要なときに取り出すなんて、さすが未来のテクノロジーです。
強制ミキシマックスの例は確認できるだけで4つと亜種(※ゴーストミキシマックス)が2つあります。(オーラ元×オーラを受け取る側で表記しています)
・ベータちゃん×プロトコル・オメガ2.0(ゴーストミキシマックス)
・ザナーク×プロトコル・オメガ3.0(+洗脳)
・孔明×太陽、白竜
・ザナーク×沖田(推定)
・マスタードラゴン×黄名子
・クララジェーン×ザナーク
強制ミキシマックスと言いますが通常の場合はミキシマックス・ガンを使わないこと以外にミキシマックスとの差別化点はありません。(上記の時空最強イレブンはすべて通常の強制ミキシマックス)
ではその例外を順に見ていきましょう。
ゴーストミキシマックス
こちらに関してはおなじみイナペディアで???さんが説明してくれます。(口調からしてベータちゃん)
「みなさんに直接オーラを注ぎ込むことで能力を強化するベータちゃんの特技よ。発動しても見た目に変化がないのがゴーストミキシマックスの特徴でーす!」
「直接オーラを注ぎ込むことで」の説明から強制ミキシマックスに分類しました。なんとベータちゃんの特技らしい。特技って言うくらいなので未来世界でも特殊なスキルなのでしょう。
そして見た目が変わらないのは大きな特徴です。ミキシマックスならベストマッチでなくても色くらいは変わります。このなんの変化もない点が「ゴースト」の由来なのかもしれません。
ミキシマックスには変わりないので二人の個性が合わさっているはず、なのに見た目で分からない。そんな特徴を幽霊と形容するセンスが光ってます。
ベータちゃんの場合
ゴーストミキシマックスの代表例、ベータちゃんの例を見てみましょう。アニメでは2回使われていますが、いずれも奥の手といった印象です。「ゴーストミキシマックス!」と叫び、紫色のオーラを部下に注入します。普通オーラの色は黄色のはずですが…
普通のミキシマックスと違うのは一人のオーラを他のオメガメンバー10人全員に注いでいることです。しかもベータちゃんはその後特に弱体化もせず元気に試合を続けています。得点もしました。(!)ベータちゃんのスペックほんとオバケ
ゲームの仕様から大きく逸脱してますね。本来ならミキシマックスは一対一ですし、オーラの渡し側は試合に出られません。なぜこんな芸当が可能なのでしょうか?
それは
①「複数人へのオーラの受け渡し」こそが特別な技術だから
②ゴーストミキシマックスで注ぐオーラは量が少ないから
ではないかと考えます。
①の捕捉
通常のミキシマックスは機械を通してオーラの受け渡しを行いますが、本来オーラの受け渡しは自力で可能です。
そう断定する根拠に化身ドローイングがあります。化身ドローイングとは、オーラを消耗した化身使いにチームメンバーがオーラを与えることで化身の使用時間を延ばす戦術です。
これはGO1期の時点で確立されているため、オーラの自力での受け渡しは200年後でも当たり前に可能と判断できます。(前編のほうでミキシマックスで与えるオーラ=化身のオーラと考察しているので化身の話を根拠に使用しています)
そのため「ベータちゃんの特技」と当の本人が自慢げな様子から考えるに、オーラを与える対象が複数でも問題ない点が特別なスキルとされる所以ではないでしょうか。
それだとワンダバが驚く理由と矛盾しない?となりますが、わざわざミキシマックス・ガンを使用するメリットについてはザナークの欄で話します。
②の捕捉
こちらは結果からの逆算的な考察です。化身や化身アームドは使うほど体力を消耗しますし、ミキシマックスも同様です。
前編のほうでミキシマックス・ガンで吸い取るオーラ量に上限はないと考察しました。そして失ったオーラが大きいとそれなりに体に影響が出る描写があります。
例としてオーラを抜き取られたシュウくんはその場でふらりと片膝をつき、坂本龍馬も疲れた様子を見せていました。オーラを抜かれることで多少の脱力感・疲労感を受けると考えられます。
そんな量を味方全員に与えていたら、さすがに体力がもたないでしょう。
ゴーストミキシマックスを受けた面々は雷門イレブンをドッカンドッカン吹き飛ばすパワーは得ていますが、みなオーラ元の化身(アテナ、ゾディアク)を使える描写がありません。
このことから少なくとも化身を使えるほどのオーラは与えていないと分かり、オーラの合計量も試合に出られないほどの疲労を抱えるほどではなかったと考えられます。
まとめると与えるオーラ量は
ゴーストミキシマックスのオーラ量<ミキシマックス・通常の強制ミキシマックスのオーラ量
になるのではないでしょうか。
ザナークの場合
こちらは更にめちゃくちゃです。ゴーストミキシマックスなのに相手を洗脳しています。それも11人も。口からビーム出したり、目から怪光線出したりもういろいろと変。
沖田さんとのゴーストミキシマックスは目からオーラを放っているくらいでベータちゃんの場合と大差ないので割愛します。
先ほどミキシマックス・ガンを介するメリットに触れると言いました。
それはオーラが見合わないときの安全装置としての役割です。
ここでは分かりやすく信長×神童を例に出します。信長のオーラは神童という”器”に入らなかったとアルノ博士は分析します。
また、同じくミキシマックスが失敗した坂本龍馬とのミキシマックスの際には大介さんが「器が小さければ水はこぼれてしまう」と語ります。
器=その個人のオーラ許容量
水=オーラ
ということです。
ミキシマックス・ガンがあれば器にオーラが見合わない場合、ミキシマックスは中断されます。つまりミキシマックスをシステム化するうえでのストッパー的役割を持っていると推測できるのです。
未来世界のモブが「化身アームドもミキシマックスもないサッカーなんて考えられない」という旨の発言もしているため、安全な強化技術としてミキシマックス・ガンが使用されていると想像できます。
反対に強制ミキシマックスはそのストッパーがないのでオーラが強大すぎても拒否ができません。まさに器から水がこぼれ、器の表面を覆ってしまうのです。
しかも見合わないオーラなのにザナーク×プロトコル・オメガ3.0はベストマッチ扱いです。波長も合わない、手に余るオーラを使わせるためにオメガ側のオーラの波長を強引にザナークに合わせた──。
それが形となって表れているのがプロトコル・オメガ3.0の洗脳された姿ではないでしょうか。
イナクロ設定資料集を見てみても「強化ver」と記されていて「洗脳ver」とは書かれていません。洗脳はあくまでミキシマックスの副産物だと推測できます。
そもそも、化身は強い”気”の具現化であるため洗脳に抵抗があると示されています。にも関わらず化身使いのガンマさんはあたかも即オチ2コマのごとく洗脳されました。(身も心も従順になって!!!!!)
このことから強制ミキシマックスによる洗脳は内から行われたと考えられます。
化身アームドの極意は化身を外にまとうのではなく、内に融合することでした。オーラは体に取りこんでこそ真価を発揮するのでしょう。同じオーラを媒介するミキシマックスも同様です。オーラは体の内側に保存され、いつでも「ミキシトランス状態」になれます。
そのためミキシマックスもオーラもまずは内側に作用すると仮定します。
強制ミキシマックスを利用した洗脳はオーラを受け取り、それが”器”に見合わなくて初めて効果を発揮するので、
ザナークのオーラがガンマさんに侵入
↓
オーラ>>>(超えられない壁)>>>”器”
↓
それなのにベストマッチになるようガンマさん側の波長がいじられる
↓
見合わないオーラの代償(洗脳)
の流れが生まれます。
化身が洗脳に対抗できるのはオーラが体内に侵入する最初の段階だけですので、それ以降は宿主を守れないのでしょう。内側から突き崩された感じですね。化身が洗脳に対抗できなかったのはこんな理由ではないでしょうか。
↑イメージとしてはこんな感じです
SSCのミキシマックス
今まで見てきたミキシマックスと違い、こちらは一人でミキシマックスをしている描写があります。最初に触れたF.Rさんのミキシマックスの話とだいぶズレていますね。
・S遺伝子×SARU
・G遺伝子×ガルシャア
・V遺伝子×ヴァンフェニー
この三つです。ラスボスと裏ボスの貫禄がすごい。正直、自分とミキシマックスするってなに?ってなります。
これら○遺伝子はゲームイナクロのアイテム「だいじなもの」で簡単な説明があります。
「特定の血を持った人物にのみ影響を与える不思議な遺伝子のオーラデータ」
説明の前半であれこれ書いてますが、これはオーラデータです。遺伝子がオーラを持っているということになります。
ちなみに遺伝子とはDNAの中で遺伝情報に関係する部分を指します。
ここではSSCに限定されるこの特殊なミキシマックスを「遺伝子とのミキシマックス」と呼称します。
遺伝子がオーラを持つとは
SSCとオーラ
実はオーラとセカンドステージ・チルドレンは近しい関係にあります。
トウドウ議長「彼らは(SSCは)自らの内にある破壊のオーラを特殊なアンプルにこめて発射する武器を使い」
「フェーダのメンバーが使う特殊な武器。破壊のオーラを込めた赤いアンプルをバズーカに仕込んで撃つことができる。彼らはこういった兵器も開発している」(イナペディア「アンプルバズーカ」より F.Rさん)
特殊な武器をメインウエポンにするあたり、オーラは半永久的に体から取り出せるのでしょう。そしてこれらのオーラは彼らの内から発生するものだと判明しているので、オーラの発生源がセカンドステージ・チルドレンの遺伝子、SSC遺伝子であることは確定でしょう。
ゲームイナクロの天馬とミキシトランスしたSARUの会話からも分かります。
天馬「こ これは…! これもミキシトランス…なのか?」
SARU「ふふっ 君たちとは完全に違うんだ。新しい人間だけに与えられた特別な力なんだ!」
このほかにも最終戦でザ・ラグーンが披露した、自分の体から取り出して保存した黄色いオーラを取りこみ、スピードを急上昇させる技術もあります。
アンプルを使ってひと手間かけているとはいえ、普通のセカンドステージ・チルドレンも自分のオーラとミキシマックスすることはできるのです。(見た目が変わらないのでゴーストミキシマックスの一種と思われます)
すると気になるのは「特定の血を持った人物」の表記です。「遺伝子とのミキシマックス」は、姿はもちろん体格まで大きく変わることがあります。そこに「特定の血」が関わると推測されますが解釈が難しいです。
特定の血
SSC遺伝子の練度
日本赤十字社のホームページで血液について調べてみましたが、血液は基本的に人によって組成は変わりません。違うのは血液型くらいです。
セカンドステージ・チルドレンであるために血液組成が若干異なり、「特定の血」がそれを指す可能性もありますが、その場合「遺伝子とのミキシマックス」が三人だけ使えることと矛盾します。
これらを踏まえて作った仮説が「遺伝子とのミキシマックス」が可能なのは
SSC遺伝子を使いこなせるセカンドステージ・チルドレンに限られる説です。
セカンドステージ・チルドレンにも超能力を使える使えないの差があります。その中でもSARUは特に強大な力を持っていたはずです。ザンの面々を従えていることからもうかがえます。
そして超能力を多く使えるということはSSC遺伝子から力を引き出す術を熟知していることになります。要は練度が高いのです。
「遺伝子とのミキシマックス」は言ってしまえばSARUクラスのSSC遺伝子の練度者が行使できる超能力の一種と言えます。
「特定の血」の意味
加えてミキシマックスを可能にする特殊な遺伝子(S遺伝子、G遺伝子、V遺伝子)は頭文字が「遺伝子とのミキシマックス」が可能なキャラと一致します。
これは偶然でしょうか? おそらく違います。
S、G、Vの遺伝子はサリュー、ガルシャア、ヴァンフェニーの頭文字から取って命名されたと考えるのが妥当でしょう。
「特別な血」ではなく「特定の血」と表記されているのもSSC遺伝子を使いこなすセカンドステージ・チルドレンなら、誰でも「遺伝子とのミキシマックス」を扱える暗示ではないでしょうか。「特定の血」=「特定の人物」に読み替えられるというわけです。
まとめると、
・「遺伝子とのミキシマックス」は通常のミキシマックスの概念と異なり、オーラを生みだすSSC遺伝子の力を引き出すことで行える。
・これにはかなり超能力を操れなければいけないが、条件さえクリアすれば「特定の血を持った人物」として扱えるようになる。
と考察しました。
ミキシマックスの話は以上となります。分けたはずがかなり長くなりました。個人的にいろんなことを調べて考えられて楽しかったです。
長々とありがとうございました!